2025/04/20

「愛犬のために、今年の夏はサマーカットにしようかな?」
夏の暑さが厳しくなると、そう考える飼い主さんは多いですよね。
でも、ちょっと待ってください!
サマーカットって、本当に全てのワンちゃんに必要なんでしょうか?もしかしたら、愛犬の皮膚や健康に悪影響を与えてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、現役プログルーマーの私(ドッグサロンNaturamオーナー・宮)が、サマーカットの基本からメリット・デメリット、犬種別の注意点、そしてサマーカット後のケアまで、あなたの愛犬が快適に夏を過ごすために必要な情報を徹底解説します。
「サマーカットってどんなもの?」
「ウチの子に合うカットスタイルは?」
「自宅でカットする時の注意点は?」
そんなあなたの疑問に、プロの視点からお答えします。
この記事を読むことで、あなたはサマーカットについて深く理解し、愛犬にとって最適な選択ができるようになるでしょう。ぜひ最後まで読んで、愛犬の「ベストサマー」を見つけてあげてくださいね!
監修:宮(みや)
グルーマー歴11年、年間600頭以上のトリミングを担当
東急東横線学芸大学駅より徒歩4分のトリミングサロン「Naturam」のオーナー
オーナーについてはこちらの記事で詳しく紹介しています!
サマーカットとは?基本をプロが解説

サマーカットについて、以下のポイントで解説します。
◆サマーカットの定義と目的
◆サマーカットの種類
それぞれ詳しく見ていきましょう。
サマーカットの定義と目的
サマーカットとは、主に夏に行われる犬の被毛を短くカットするトリミングスタイルです 。一般的には、暑さ対策として広く知られており、愛犬を涼しく快適に過ごさせる目的で行われます 。
サマーカットの主な目的は、以下の通りです:。
◆暑さ対策:被毛を短くして体温調節をサポートし暑さによる負担を軽減する
◆お手入れの簡略化:ブラッシングやシャンプーが楽になり、お手入れの時間を短縮できる
つまり、サマーカットは、ワンちゃんが夏を快適に過ごすためのお手伝いをするトリミングといえます。
サマーカットの種類
サマーカットには、大きく分けて2つの種類があります。
◆バリカン仕上げ:バリカンを使って均一に短くカットする方法
◆ハサミ仕上げ:ハサミを使って自然な見た目に仕上げる方法
バリカン仕上げは、暑さ対策として効果が高く、お手入れも非常に楽です。
バリカンに比べて、ハサミカット仕上げは、自由度が高く、犬種によってはハサミ仕上のほうが適している場合があります。
どちらのカットにするかは、ワンちゃんの犬種や被毛の状態、飼い主さんの希望などをサロンに相談して決めましょう。
サマーカットのメリットを徹底解剖!

サマーカットには、飼い主さんにもワンちゃんにも嬉しいメリットがたくさんあります。
◆暑さ対策としての効果(体温調節サポート)
◆お手入れのしやすさ(ブラッシング、シャンプー)
◆皮膚病予防(通気性向上による群れ防止)
◆ノミ・ダニの早期発見
それぞれ詳しく見ていきましょう。
暑さ対策としての効果(体温調節のサポート)
犬は人間のように汗をかいて体温調節をすることが苦手です 。
そのため、被毛が長いと熱がこもりやすく、体温が上昇してしまいます。
サマーカットによって被毛を短くすることで、熱を放散しやすくなり、愛犬の体温調節をサポートする効果が期待できます 。
特に、プードルなどの毛が伸び続ける犬種は、サマーカットで蒸れを防げます。
お手入れのしやすさ(ブラッシング、シャンプー)
被毛が短いと、ブラッシングやシャンプーが格段に楽になります 。毛玉ができにくくなるため、日頃のお手入れの負担を軽減できるでしょう 。
特に、長毛種や毛量の多い犬種は、サマーカットにすることで、お手入れの時間を大幅に短縮できます。
皮膚病予防(通気性向上による蒸れ防止)
高温多湿の時期は、皮膚が蒸れやすく、皮膚病のリスクが高まります。サマーカットによって通気性をよくすれば、蒸れを防ぎ、皮膚を健康に保てます 。
特に、皮膚が弱い犬種や、皮膚病にかかりやすい犬種は、サマーカットが効果的です。
ノミ・ダニの早期発見
被毛が短いと、ノミやダニの寄生を早期に発見しやすくなります 。定期的なブラッシングと合わせると、愛犬の健康管理に役立つでしょう 。
特に、お散歩によく行くワンちゃんは、ノミ・ダニ対策としてもサマーカットが有効です。
知っておきたい!サマーカットのデメリットと注意点

良いことばかりに見えるサマーカットですが、デメリットや注意点もいくつかあります。
◆紫外線による皮膚へのダメージ
◆短くし過ぎることによる体温調節機能の低下
◆バリカン使用による皮膚への負担
◆犬種ごとの注意点
それぞれ詳しく見ていきましょう。
紫外線による皮膚へのダメージリスク
被毛は、紫外線から皮膚を守る役割も担っています。サマーカットによって被毛を短くしすぎると、皮膚が直接紫外線にさらされ、ダメージを受けるリスクが高まります 。
特に、皮膚の色が薄いワンちゃんや、子犬・老犬は、服を着せるなどして紫外線対策をしっかりとしてあげましょう。
短くしすぎることによる体温調節機能の低下
被毛は、暑さから身を守るだけでなく、寒さからも身を守る役割があります。短くしすぎると、体温調節機能が低下し、夏だけでなく、冷房の効いた室内などでも寒さを感じてしまうことがあります 。
カットする際は、短くしすぎないように注意し、必要であれば服を着せるなどして調節してあげましょう。
バリカン使用による皮膚への負担
バリカンを不適切に使用すると、皮膚を傷つけてしまいます 。特に、皮膚が敏感な犬や高齢の犬には、バリカンを使用する際は注意が必要です 。
トリミングサロンでは、プロのグルーマーが丁寧にバリカンを扱います。しかし、自宅でカットする場合は、バリカンに慣れていないと皮膚を傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう。
犬種ごとの注意点(ダブルコート犬種など)
ダブルコートの犬種は、被毛が二重構造になっており、下毛が体温調節の役割を担っています。そのため、ダブルコートの犬種にサマーカットを行うと、体温調節機能を損なう可能性があるためおすすめしません 。
代表的なダブルコート犬種は以下のとおり。
◆柴犬
◆ポメラニアン
◆ゴールデンレトリバー
◆ハスキー
これらの犬種は、サマーカットをすることで、かえって体温調節がうまくいかなくなってしまうことがあるります。
必ずトリミングサロンで相談するようにしましょう。
サマーカット後のケアの重要性
サマーカット後も、適切なケアを続けることが大切です 。紫外線対策や保湿ケア、室温管理などをしっかりと行い、愛犬の健康を守りましょう 。
ケアを怠ると、皮膚トラブルの原因になることもあるので、しっかりとお手入れしてあげてくださいね。
犬種別サマーカットのポイント

ワンちゃんの犬種によって、被毛のタイプや特徴は様々です。
犬種ごとの特徴を理解して、適切なサマーカットをしてあげましょう。
長毛種、短毛種、ダブルコート種など、犬種ごとの特徴と注意点
カットスタイルは、犬種とそれぞれの生活スタイルに合わせて決めましょう。
地肌が見えるほど短くするのではなく、ある程度の長さは必要です。(ただし、毛玉ができてしまった場合は例外)
犬の種類による注意点は以下のとおりです。
◆長毛種:毛が絡まりやすいので、お手入れのしやすい長さにカットするのがおすすめです。
(パピヨン・トイプードル・マルチーズなど)
◆短毛種:基本的にサマーカットは必要ありませんが、皮膚病予防のために部分的なカットをするのも良いでしょう。
(イタリアングレーハウンド・ミニチュアピンシャー・ドーベルマンなど)
◆ダブルコート種:上記の通り、サマーカットは基本的にNG。トリミングサロンに相談しましょう。
(ポメラニアン・ゴールデンレトリバー・サムエド・ボーダーコリーなど)
どうしても短くしたい場合は、カット後はお洋服を着せてあげるなどして、お肌を守ってあげましょう 。
トリミングサロンでのオーダー方法、家でカットする場合の注意点
トリミングサロンとご自宅カット、それぞれのケースでの注意点です。
トリミングサロンでのオーダー方法
◆希望を伝える
◆イボや傷の有無を共有する
希望を伝えることは重要です。また「このカットは嫌」と伝えるのもあり。他店で思ったより短くされて嫌だったというお声も聞きます。
「地肌が見えないくらいの長さ」
「バリカンは使わないで」
など、具体的に伝えるようにしましょう。また、イボや傷がある場合は、忘れずに共有しておきましょう。リミング中のトラブルを回避できます。
自宅でカットする場合の注意点
自宅でカットする場合は、次の点に注意しましょう。
◆関節や骨のでっぱりや皮膚のたるみに注意する
◆何度も見て触って確認する
◆犬の動きに注意する
◆無理をしない
ご自宅でのカットはダメではありませんが、トラブルを避けるために、できるかぎりプロのグルーマーに相談しましょう。
サマーカット後のケア

サマーカット後のケアは大切です。
丁寧なケアにより、ワンちゃんが快適に夏を過ごせるようにしましょう。
紫外線対策
サマーカット後は、服などを活用して、紫外線対策を行いましょう 。
特に、皮膚がデリケートな犬は、念入りな対策が必要です 。
こちらはおすすめのドッグウエアです。
素材などにこだわり、ストレスのないものを選んであげましょう。
保湿ケア(犬用保湿剤など)
サマーカット後の皮膚は乾燥しやすくなっています。犬用の保湿剤などを使用して、皮膚の潤いを保ちましょう
当店で販売している「ミスセラミド・ホシカル」は、店舗には流通していないサロン向け商品です。
お試ししてみたい方は、いつでもご相談ください。
ワンちゃんのスキンケアに関する解説は、こちらの記事を参考にしてください。
【関連記事】フケが出やすい犬種は?家庭でできるスキンケア方法を解説
【関連記事】犬にも保湿ケアは必須?プロトリマーが解説する愛犬の乾燥肌対策
室温管理と体温調節
サマーカット後も、室温管理を徹底し、愛犬が快適に過ごせるように気をつけます。
犬種によっても変わるので一概には言えませんが、注意ポイントとして、温度だけでなく湿度も気にかけるようにしましょう。
適切な温度と湿度を計測するために、温度計・湿度計を犬の背の高さに合わせて設置することをお勧めします。
とくに冷たい空気は下に溜まります。冷房で冷えすぎないように、温度調節をしたり薄手のお洋服を着せたりしてあげるのもよいでしょう 。
ブラッシング、シャンプーの方法
サマーカット後も、定期的なブラッシングとシャンプーで、皮膚を清潔に保ちましょう 。シャンプーは、犬用の低刺激のものを使用し、しっかりとすすぐことが大切です 。
おわりに

サマーカットは、上手に活用すれば、ワンちゃんにとって快適な夏を過ごすための一つの手段となります。
しかし、注意点もたくさんあるので、しっかりと理解した上で、愛犬に合った選択をしてあげてくださいね。
もし、少しでも不安なことがあれば、お気軽にドッグサロンNaturamにご相談ください。
プロのグルーマーである宮が、あなたの愛犬にぴったりのサマーカットをご提案します。
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